わたしは福岡県久留米市生まれ、神奈川県山北町育ちです。今は近隣の市に住んでおります。神奈川県大磯町でフレンチレストラン「ビストロシャルマン」のオーナーシェフをしています。
私は小さい時から食いしん坊で、外食の時にはどのように調理が行われるのかとても興味がありました。中でも特に洋食に興味がありました。小学校低学年までですが外食のお店にカウンターがあると靴を脱ぎ、上にのぼり調理風景を良く見たものです。今思えばとても行儀悪いことですが、子供だからコックさんは優しく対応してくれました。とてもわくわくしながらの見学は楽しかったです。
高学年になると日曜日は朝ごはんの味噌汁用意をしたり、夕飯の皿洗いをよくしていました。そう言えば小学3年生のある土曜日(当時土曜日授業は午前中までで終わり)、家に帰ったら母が用事で留守でした。姉と「おなかすいたね」と言うことで、料理と食べることが好きな私がおにぎりを作ることになりました。作ったことないおにぎり。そういえば母が何か白い調味料をつけておにぎりを作っていたのを思い出し挑戦しました。台所にあったアジシオ・味の素・ハイミーこの3種類からの選択になり・・・残念ながらハイミーを選択(笑)、あまりに不味く食べることが出来ませんでした。とても後悔した経験でした。今では笑い話です。
子供の頃よくテレビで見ていた番組は3分クッキングや料理天国という番組でした。
3分クッキングは今も放送してますね。料理天国とは辻調理師専門学校とサントリーの提供で、辻調の先生方がそれぞれの和洋中分野で料理を作りゲストが試食する番組でした。
毎週楽しみにテレビを見ていたのを覚えております。
その影響で高校3年進路決めの時、大阪の辻調理師専門学校への進学を決めたのです。
今の時代は2年制が主流ですが当時は1年制のみでした。番組の影響か全国から集まった生徒は約2000人のマンモス校でした。北海道から沖縄まで同年代の生徒が集まりました。寮生活を送り友達も沢山出来ました。
卒業後の就職は六本木のフランス料理店に決まりました。約5年間の修行です。どの職業も大変なのは当然ですが、本当に辛かったです。1年目はサービスの仕事を勉強し2年目から調理場に入れました。どの仕事も同じだと思いますが最初は体力、気力、精神力、知識力全て足りません。毎日くじけそうになります。何をやるにもよく石の上にも3年と言いますが、まさにその通りですね。特に1~2年目は慣れていないこともありとても大変でした。2年~3年するとようやく全てに慣れていきます。後半は部門シェフを経験させていただきました。
その後退職し、新たにサンリオピューロランドに転職しました。そこで代表理事の谷本さん、理事の村田さんと出会いました。村田さん谷本さんとは職場が違った(ピューロランド内はレストランが4ヶ所あったので)のですが何故かとても仲良くしていただきました。谷本さんとはその後のアサヒビールの地中海レストランでも一緒に働きました。
25歳の時に新百合ヶ丘パリエで念願の店舗責任者シェフになりましたが、未熟さゆえ色々失敗もあり、1年半でしたが本当に良い経験をさせて頂きました。その後はJR東海のレストランで責任者や熱海ラグジュアリーホテルのシェフを経験し、12年前からビストロシャルマンを開業するにいたりました。
お店を営業していると近隣のファミリーが来店します。
ある日「この子がここで食事をしたい」と言っているので予約をお願いしたいと言うお客様が来ました。なんと小学1年生の男の子でした。1年生がフレンチ?食べたいの?びっくりしました。憧れがあったようです。自分の子供の時と重なりとてもうれしくなりました。その子も今は高校生に成長しました。色々な子供たちの成長を見ることが出来るのも楽しみです。
みらいてーぶる参加の経緯について。
先にも述べましたが代表理事の谷本さんとは30年来の先輩後輩の関係です。
4年ほど前から横浜の施設に調理をしに行っていることを聞きました。はじめた経緯など色々話を聞きました。一歩踏み出すことって覚悟もいるし案外大変ですよね。だからできない人が多いのに実際に行動を起こし実践していることにとても感動しました。
そこで自分には何ができるのか?協力できることは無いのか?と思い参加に至りました。
昨年は、私のレストランで子どもたちのテーブルマナー講習を実践していただきました。
ナイフやフォークの使う順番や使い方などコース料理を食べながら講習しました。
最初は緊張している様子でしたが子どもたちは徐々に慣れてくれました。
講習の後は調理場の見学を行い調理器具や真空機などの機械を見学しながら質問タイムになりました。
私のノートを見てルセットやレシピに興味津々で目を輝かせ写メしていました。
子供たちとの距離も一気に縮まったように感じました。
これからのち、他の施設にいる子供たちとも調理を通じて良い関係が築き上げられるようにしたいです。
そして子供たちの未来の選択肢の一部になれるよう調理体験だけでなく、給仕体験や農業体験などにも取り組みたい。なぜなら、私も仲間や先輩方にとても助けられて今日までやってこれたからです。
そのほか、就業支援・進学相談なども取り組みます。またその後のサポートも重要と考えます。そして、施設の子供達の未来のサポートに共感を持った仲間を増やしたいとも考えています。お読みくださったみなさま、是非ともご協力をお願いいたします。
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